議案第100号 朝来市役所本庁舎駐車場条例制定について
私は、原案に賛成し、修正案に反対する立場で討論を行います。
私が指摘を行う論点は三点でございます。
一点目は、来庁駐車が来庁外駐車に優先するという事であります。
本条例案の第一条では、「朝来市役所本庁舎の駐車場の適切な管理及び効率的な運用を図るとともに、来庁者及び市民の利便に供するため、朝来市役所本庁舎駐車場を設置する。」と規定されていますが、ここで論点となるのは、来庁者及び市民の利便に供するため、との規定でございます。条例では並列的に規定をしているために誤解を生じる訳でございます。しかし、来庁外駐車が全ての駐車スペースを占領してしまった場合、本条例案の本質的目的は達成されません。その一方で、来庁駐車が全ての駐車スペースを占領してしまった場合、本条例案の本質的目的は達成され得ます。つまり、来庁駐車が来庁外駐車に優先するという事であります。この点について、修正案は来庁駐車と来庁外駐車を同列に扱っており、来庁外駐車によって来庁駐車が阻害される可能性があり、問題があると言わざるを得ません。
二点目は、新庁舎は駐車場台数が少ない、来庁者駐車場が足りないという事であります。
平成20年12月に朝来市庁舎建設検討委員会が答申した朝来市庁舎建設検討委員会報告書には、駐車場の必要台数は、確定申告等の繁忙期を考慮し、一般来庁者用100台とするとされておりました。また平成24年12月の朝来市新庁舎建設基本計画では、来庁者用駐車場について、「一般の来庁者用駐車場については、車による庁舎利用状況の調査をもとに駐車場の回転率、集中率等の計算(文献:建築計画・設計シリーズ「庁舎施設」」)により50台、議員駐車場が20台、各課における会議出席等の駐車場が20台の合計90台を目安に整備します。」とされておりました。しかし、現実には一般来庁者駐車場として整備をされた駐車場台数は76台でございます。つまりは旧庁舎の駐車場台数から公用車40台を減じた82台からは6台減、当初計画100台からは24台減、駐車場の回転率、集中率等を計算した必要台数90台からは14台減となり、いずれも必要となる一般来庁者駐車場台数からは足りない事が明らかであり、駐車場不足が容易に予想される新庁舎の駐車場台数である事から、来庁外駐車を受け入れる余裕がないにも関わらず、条例原案よりも来庁外駐車を積極的に受け入れる修正案には無理があると言わざるを得ません。
三点目は、条例原案の駐車料金徴収は来庁外駐車を抑制するための消極的課金であるという事であります。
本条例案の提案以前に可決成立した予算には来庁者駐車場のゲート化が含まれておりましたが、ゲート化・有料化・条例化の目的や一連の流れを考えた時に、予算そのものが本庁舎駐車場の来庁外駐車の排除・抑制が目的であったという事ができます。つまり、条例案における料金徴収は、料金を徴収する事によって来庁外駐車を受け入れるための積極的課金ではなく、料金を徴収する事によって来庁外駐車を排除・抑制するための消極的課金であるという事であります。その証左の一つとして、24時間の来庁外駐車をした場合には2,400円という近隣駐車場と比較しても非常に高い上限設定のない課金となっており、料金徴収が駐車料金収入を目的としてものではなく、来庁外駐車の抑制を目的としたものである事は明らかであります。しかし、修正案は料金徴収を積極的課金として来庁外駐車を積極的に受け入れようとするものでありながら、修正案の内部に抑制的料金徴収を内包する矛盾を有するものであります。
最後に、市民の方の誤解が生じないように、本条例原案と修正案はともに来庁者の駐車は無料となっている事を付言しておきます。
以上の理由に因りまして、私、吉田しゅんぺいは原案に賛成し、修正案に反対を致します。