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Channel: 吉田しゅんぺいの議員日記
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上勝町・神山町 視察報告書

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平成27年4月22日~23日に管外視察を行いましたので下記にその内容をご報告いたします。
1. 視察日及び視察目的
 4月22日(水) 徳島県上勝町 株式会社いろどり
「JAとくしま上勝支店、小水力発電、インターンシップ事業について」
 4月23日(木) 徳島県神山町 NPO法人グリーンバレー
「NPO法人グリーンバレーとサテライトオフィスについて」
2. 市町の概要
(ア) 徳島県上勝町
人口(H27年4月1日現在)は1,717人で、面積は109.68㎢となっている。
(イ) 徳島県神山町
 人口(H27年5月現在)は5,918人で、面積は173.31㎢となっている。
3. 視察の内容
(ア) JAとくしま上勝支店、小水力発電、インターンシップ事業について
 JAとくしま上勝支店について、現場に到着したのが平日の11時であったが、複数の方が出荷に来られていた。8時から12時までの間にその日の注文をパソコンやタブレット等で受注し、出荷は12時までとなっている。出荷場には1日最大2,000ケースが出荷される。関西には陸路で、関東には空路で運ばれ、翌日の競りにかけられる。出荷時の入力操作もバーコードやタッチパネル等で行い遣い易くなっていた。
   彩の流通
 小水力発電について、ペルトン水車による発電量は350W。水力の落差は36m、水量は2.2㍑/秒。モーターは洗濯機のモーターとのことであった。電力は防犯灯(約10灯)の電源として利用し、必要なときには消火水栓としても利用できるようである。驚いたのは水量の少なさである。水路の水とも言えないぐらいの水量であったが、水圧を高め、極小水力でも回転する水車を利用すれば、防犯灯に必要十分な電力を発電できることが分かった。
 インターシップ事業について、当初の目的は、彩事業の農家の半数が10年以内に引退と回答したアンケート結果から農業後継者の受け皿として考えられたが、今では就業・移住のサポートとしての役割も果たしている。同事業は第3セクター「株式会社かみかついっきゅう」に委託されている。株式会社かみかついっきゅうは町内の観光拠点として、宿泊・温泉施設の運営管理、特産品の販売等を行う会社である。
(イ) NPO法人グリーンバレーとサテライトオフィスについて
 NPO法人グリーンバレーは1991年の「アリス里帰り推進委員会(青い目の人形のアメリカへの里帰り)」における成功体験が基となっており、翌年の神山町国際交流協会、1997年の国際文化村委員会を経て、2004年に設立され、創造的過疎による地域再生を目標に活動している。
 またサテライトオフィスやワークインレジデンス、神山塾を実施している。サテライトオフィスでは、場所を選ばない働き方が可能な企業の誘致を目指し、ワークインレジデンスでは仕事を持った移住者や企業者の誘致を目指し、神山塾では、職業訓練や、企業支援等による積極的な後継人材の育成を目指されている。
 地方創生「神山モデル」のスキームとして、人や産業間の循環生成を目標に、文化・芸術を入り口に、移住者(芸術家・起業者・IT企業や映像会社)を呼び込み、サービス産業を興し、最終的には本丸の農業再生を目指している。
 また創造的過疎による地域再生は、未来から逆算して過疎化の数値化を行い、現在の政策を創造的過疎として実施している。
4. 雑感
 上勝町・神山町を視察して、神山町と上勝町の違いは、移住者を呼び込む努力は同じだが、移住者の内容が違うことに気付いた。それは、神山町は既に仕事をもっている移住者の誘致や会社を経営している起業者のサテライト誘致を目指している点である。この点は移住者を誘致する上で重要な視点であろうと考える。
 また、過疎化(人口減少)の現状を受け入れ、「人口構成の健全化」や「働き方の多様化」を目指している姿は、朝来市とは正反対であり、総合計画の人口目標自体が実現不可能となった今、市としての方向転換を図る上でも、重要な示唆を得ることが出来た。
 最後に、朝来市も「オープン・フラット・フレキシブル」な組織に変換していく事を期待して結びとしたい。


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