それでは、議長の許しがありましたので、私、吉田しゅんぺいの一般質問を行います。
今回の一般質問は、「障がい者施策の真の実現を目指せ」と題して、5項目9点について質問を行います。
先ず初めに、障がい者施策について伺います。
文部科学省や厚生労働省のHPには、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)」として、障がい者制度改革推進会議が平成22 年6月7日にまとめた資料が掲載され、そこには「第4 日本の障害者施策の経緯」として、これまでの障がい者施策が詳細に記載されているが、その中では「大前提は現在も続く『家族依存』であり」とか、「日本の障がい者に対する介護は家族中心であり、この深刻な家族依存は、家族に重い負担を課し、障がい者に対する重大な人権侵害となり、あるいは社会的入院・入所の要因となっている。」とか、「依然として家族の責任は軽減されていない。」とされる現行制度はこれまでから深刻な家族依存の考え方によって成り立っている。そのせいで家族に重い負担を課し、障がい者に対する重大な人権侵害に生むきっかけとなっている。ここに現行制度の大きな矛盾や問題点が存在している。
また、平成30年12月13日に画期的な訴訟の高裁判決が示されました。広島高裁岡山支部の岡山浅田訴訟である。その訴訟概要を申し上げますと、2013年2月12日にそれまで受給していた月249時間の重度訪問介護の支援が、介護認定に応じなかったことを理由に、岡山市の通知で全て打ち切られ、その処分を巡り、訴訟が提起されたものです。
その処分の違法性は、①一律に自立支援給付の不支給決定をするのではなく、自立支援給付が選択することが相当である場合があること、②本件通達も一律に介護保険給付を優先的に利用するものとはしないことといていること、③国は、本件合意書をもって、自立支援法第7条の介護保険優先原則の廃止を検討することを約束したこと、④本件調査により、自立支援給付の申請を却下する自治体は6.4%(6自治体)に過ぎず、現実には①の選択がなされていること。の理由により、自立支援法第7条は、自立支援給付と介護保険給付等の二重給付を回避する規定であり、介護保険申請をしない場合に自立支援法第7条に基づき自立支援給付の不支給決定をすることは、羈束処分(羈束処分とは、法規の執行にあたり行政庁の自由裁量の認められない処分のこと)とは言えず、裁量処分と解するのが相当としました。
そこでは、「自立支援給付は、全ての国民が障がいの有無にかかわらず、個人として尊重されるものであるとの障害者基本法の理念にのっとり、障がい者等が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障がい福祉サービスに係る給付等を行うものである。その一方、介護保険給付は、加齢に伴って生じる心身の変化に起因する疾病棟により要介護状態となった者に自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うものである。」と両制度の違いも示しました。
つまり、旧障害者自立支援法第7条、現障害者総合支援法第7条の「社会保障制度の原則である保険優先の考え方の下、サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、原則介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることになる。」とされている介護保険優先原則自体が現行法令の大きな瑕疵であると言わざるを得ません。
尚、旧障害者自立支援法第29条第3項で介護給付費と訓練等給付の額は基準額の100分の90と規定され応益負担となっておりましたが、多くの批判や全国訴訟を通じて障害者自立支援法は廃止され、障害者総合支援法で応益負担が解消されたことは、一時的な法制の瑕疵是正でありました。
そうした現行制度の問題点や矛盾はないか、見解を伺いたいと思います。後の質問は自席にて行います。
続きまして、宝塚市は障がい者の表記を石偏の「碍」に変更した。私は平成23年10月6日に平仮名の「がい」などとし、その表記には充分注意すべきと指摘したが、その後にどのような検討や対応がなされたのか伺います。
続きまして、障がい児福祉サービスの無償化が当初予算では見送られました。見送った理由を教えてください。またいつ実現するのかも伺います。
今年度当初予算(ユニバーサルスポーツ用品購入)から障がい者スポーツの推進が始まります。東京2020パラリンピック競技大会は、22競技540種目が21会場で実施され、史上最多4,400人の選手による白熱した戦いが、2020年8月25日の開会式翌日から9月6日の閉幕まで、12日間にわたり繰り広げられることとなっている。しかしパラリンピックのホストタウンは足りていないようである。オリンピックに比べパラリンピックは未だその知名度が高くないが、この機会に朝来市も全世界的イベントであるパラリンピックに参加するとともに、パラリンピックをサポートし、また障がい者スポーツや障がい者への理解をより進めるためにも、パラリンピックのホストタウンに名乗りを上げてはどうかと考えるが、選手団の受入検討をしないか、その考えを伺います。
次の項目である「子どもの権利について」伺います。
私は平成25 年9月11 日に子どもの貧困について質し、兵庫県の「ひょうご子ども・子育て未来プラン」の問題点も指摘したが、その後に調査すら行われていません。その事は大いに反省し、今後に「地域子供の未来応援交付金」を活用して調査を行う考えはないか、伺います。
昨今の国内で虐待が頻発している現状を鑑み、今こそ1994 年に批准した「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」の精神を反映した仮称「子どもの権利条例」を制定する考えはないか、伺います。
次の項目である「朝来市健幸長寿なまちづくり推進条例の制定について」伺います。
平成29 年3月7日に私案として「朝来市健幸長寿なまちづくり推進条例」を提案し、2年が経過した。平成31 年度こそは条例制定を実現させたいが、市長の見解を伺います。
次の項目である「コンビニ交付サービスについて」伺います。
コンビニ交付サービスは今後のICT化の流れの中で私は早期に実施すべきと考えるが、窓口時間の延長はコンビニ交付サービスとの二重サービスとならないか、伺います。
窓口時間の延長は南但広域行政事務組合の電算システムに依拠しているので、保守費用などが新たに必要となる。その費用は概算で3時間延長375万円程度ではないかと考える。保守費用などは受託事業者と委託者である南但広域行政事務組合との契約行為であると考えるが、費用が二重に必要となるのではないか。
次の項目である「出生祝金支給事業について」伺います。
平成31 年度に事業終了するとのことだが、平成22 年12 月定例会で私が指摘した、出産に掛かる費用と出産育児一時金の差(5万円)は解消されたのか。また、多次市長が条例提案時に「本条例の効果として、第1には子育てにおける経済的支援の一助、あるいは第2が少子化対策の一環というようなことから、人口増へつながることを期待している。」と答弁された条例目的は達成されたのか伺います。
出産に掛かる費用は49万円で、出産育児一時金は42万円であることから、私が指摘し本条例の制定を提案した時よりも、その経済的支援の必要性は更に増えていることは明らかである。また市長答弁からも、本条例は第一目的が経済的支援であることも明らかである。出産に掛かる費用と出産育児一時金の差は7万円と条例制定時よりも拡がり、子育ての経済的支援が更に必要となっているにも関わらず、本条例を廃して事業を廃止しようとする合理的理由は存在しないと考え、再考を促したいと考えます。もし本条例を廃するなら、発展的解消と同時に新たにより充実した条例制定が必要と考えるが、市長の見解を伺います。
そこで、第二子から5万円を支給する新たな条例制定を提案します。
本条例の課題は全部の出生をカバーしていない点にあります。そこで第二子からの支給条例に改めます。その理由は条例によって出生が促進される可能性の高いのは第二子以降であり、現条例の課題である第二子以降はカバーされ、尚且つ現条例の経済的支援という条例趣旨も実現されるからであります。
同様な制度としては認定こども園・保育園の利用者負担額における多子世帯の負担軽減や障害児通所給付費支給における多子軽減措置が朝来市でも実施されています。
その必要となる財源について、市民課では出生届を統計的に整理されておりませんので第二子以降の正確な数字の把握が難しいことから、多子世帯保育料軽減事業の実績(平成31年3月1日)などから概算で推測し、第一子を50%、第二子を35%、第三子以降を15%、総数を220人と仮定すれば、550万円程度であろうと考えます。
以上の理由から、本条例を拡充することは可能であり、第二子から5万円を支給する多子世帯出生費用支給条例の制定を提案しますが、如何か伺います。